【写真96枚】ぜひ行った気に!!「アートアクアリウム美術館」の感想等

こんばんは。(くもり)レモンパイです。10月に入ったので、昨年の消費増税から1年が経過したことになり、また本日から「GoToキャンペーン」の対象地域に東京が含まれましたね。

今月からだと東京方面のスポットは混むかなと予想していたので先月9月上旬のうちに足を運んでいた東京のある場所について、この記事ではお話することにしました!!

 

「アートアクアリウム美術館」へ行ってきました!

それでは、本題に入ります。毎月1日に投稿する記事は、多くの読者&訪問者様に見ていただこうとボリュームのある記事を作ることが多いです。そして今回は、私が先月行ってきた日本橋の「アートアクアリウム美術館」の感想などについて、撮った写真150枚以上の中からピックアップしたものと共にご紹介することにしました!

 

まずは、今回美術館へ行くことになった経緯などからお話します。

 

なぜ「アートアクアリウム美術館」へ行ったのか?

「アートアクアリウム美術館」とは、2020年8月に日本橋で開業した生きた金魚をアート作品の一部として扱う常設の展覧会になります。監修は、「アートアクアリウム」という分野を確立したアーティストの木村英智(きむら ひでとも)氏。私自身、アートアクアリウムという言葉に聞き覚えはあったものの詳しく知らなくて、これまでに何度か期間限定で開催されており今回晴れて常設の展覧会としてスタートしたわけです。

 

普段は美術館や水族館に行かない私が、アートアクアリウム美術館に興味を持ったのは、展示されている金魚のことが気になったからです。SNS上では、病気になった金魚の写真がアップロードされていたり、「金魚に対する虐待ではないか?」といった声が上がっていたりと、ネガティブな意見が多く散見されました。それで私自身は、

「事の真相を実際に自分の目で確かめてみたい!」
「“ 私がどう感じるか ” を私自身が知りたい!」

と思うようになりました。また、昨年末からメダカをモチーフにしたハンドメイド作品を作ることに挑戦するようになっていたことからも、

「何かハンドメイドに役立つインスピレーションを得られたら!」

という思惑もありました。

 

私の体験を写真と共にご紹介!

ここからは、アートアクアリウム水族館へ行く前日から当日までのことについて、写真を用いながら詳しくご説明していきます!

前日談~会場への到着まで

今回、2020年9月9日に行くことを計画していたものの、前日になって「人気だから当日券買えなかったりするかも?」と思いホームページを調べたところ、WEBチケット当日券の2タイプがあることを知りました。当日券には限りがあり、基本的にはWEBチケットを購入して欲しいとのこと。

 

当日券が買えなかったら嫌なので、私はWEBチケットを購入し入場用のQRコードのみ入手しましたが、会場の券売機で当日券を購入すると入場用QRコードの印刷された紙のチケットが入手出来るので、思い出として紙のチケットが欲しかったなぁと今にして思います。(汗)

 

また、こうやって後日に感想等を記事にまとめるつもりだったことから、より詳しい情報を得る為に俳優の斎藤工さんによる音声ガイドのオプションも付けてみました。つまり、【館内入場用のQRコード】【音声ガイド機器入手用のQRコード】の2つを事前に入手したことになります。

 

また、当日券については知りませんがWEBチケットについては入場時間の指定があって、私は出来るだけ人混みを回避したかったことから開館からの時間である【10:00~11:00】の区分にしました。また館内では写真撮影が可能でして、更に【18:00以降】だと動画での撮影も可能になるとのことです。

日本橋三越の写真

そして当日、私は東京メトロ銀座線に乗って「三越前駅」で初めて下車しました。地下道の「A1」出口から出ると、向かいの道路には三越が建っていました。アートアクアリウム美術館へは「日本橋駅」等からも短時間で行けるものの、最寄りの電車駅は「三越前駅」になります。出口から東に向かって2~3分ほど歩くと...

アートアクアリウム美術館の建物

建物へ到着。最初北側に着いたのですがそこは出口専用でして、入り口は建物南側になるのでご注意ください。スタッフの方に入場券用のQRコードを見せて奥へ進み、ゲートで読み取っていよいよ館内へ。

 

館内へ入ると音声ガイド用の機器を渡してくれるスタッフさんがいるので、音声ガイド用のQRコードを使って受け取りました。ここから、斎藤工さんの甘美な声と共に作品を鑑賞していくことになりました!(^^*)

館内での鑑賞 ~前半~

禅アクアリウム ①

まず館内に入ってすぐ右手にあるのが、【禅アクアリウム】。絵画に描かれることの多い金魚を、絵画のような薄い水槽に入れ壁に飾ったアートです。絵画に生命を与えたイメージです。

禅アクアリウム ②

自宅に水槽を導入する際って、「どこに “ 置く ” か?」という視点がかなり重要になりますが、壁に “ 飾る ” という発想は意外で面白いなと思いました。大金持ちになったらこういう飼い方をしてみたい...かな?

床掛け金魚飾り

奥のエリアへ進み、現れるのが【床掛け金魚飾り】という作品。掛け軸を模した水槽にプロジェクションマッピングが映し出されて水墨画のようです。そして黒い出目金が影と共に泳ぎ回るので、絶えず変化し続ける二度と同じ絵にならないアートになっています。もちろん生きてる金魚を扱ってる他の作品も常に変化していると言えますが、 “ 水墨画 ” という固定概念を通して観るととても新鮮な感じがすると思います。

ヴェニーニ&木村英智氏の作品 ①

ヴェニーニ&木村英智氏の作品 ②

金魚飾りの両脇に設置されているのが、【Kingyo】。ヴェネツィアのガラスアートブランド「VENINI」と木村氏との共同作品です。正直、ガラスアートにあまり関心のない私からすると「おぉぉ...。」という感じだったのですが、金魚のオブジェがとても精巧に作られていることはちゃんと伝わります。オブジェの下で泳ぐ小ぶりの金魚たちは、館内では最小サイズだったかな? とても可愛かったです。

あと、残念ながら写真を撮り忘れていましたが、金魚飾りの足下にはエビやカメなど様々な水の生き物のオブジェも展示されていたので、この記事をご覧になって行かれる方は是非チェックしてみてください!

カレイドリウム ①

続いてのエリアへ進むと、壁側には【カレイドリウム】がありました。水槽には三角形のレンズが埋め込まれていて、覗き込むとレンズの付近を通る金魚の体の一部が万華鏡の世界を構成します。

カレイドリウム ②

2枚目だとレンズが分かりやすいですよね。そして、このエリアでの主役は【カレイドリウム】より・・・

カレイドリウム 3D ①

中央にどんと構える【カレイドリウム 3D】の方です。六面体のレンズが使われているので、覗くとより細かい表現を観ることが出来ます。

カレイドリウム 3D ②

カレイドリウム 3D ③

面白いなと思ったのは、レンズの「側面」の世界と「奥」の世界とを隔てる仕切りがあったこと。1つの作品ではあるけれど、万華鏡の世界を作る為に、2つのスペースごとに金魚たちには違う役割が与えられていることが面白いなと思いました。あと六面体のレンズの存在が全然不自然じゃなくて、水槽世界に溶け込んでいる印象を受けました。

カレイドリウム 3D ④

カレイドリウム 3D ⑤

ちなみにレンズから見た世界はこんな感じです。2枚目は、白い金魚のお腹です。(笑) 先ほど「細かい表現」という記述をしましたが、よりシンプルな美しさを楽しめるのは三角形のレンズを使っている【カレイドリウム】の方です。

フラワーフラワーアクアリウム ①

次のエリアへ進むと、【フラワーフラワーアクアリウム】がありました。普通、「金魚」と「生け花」はそれぞれ別の世界に住む生き物であり、一緒に飾られることはあっても空間を共有することはない...それが、この作品はアクリルガラスの成形技術によって水槽に生け花を挿すスペースを作り、金魚と生け花の住環境を分けつつ一体化を実現した...といった旨のことを、音声ガイドの斎藤工さんが仰っていました!!(笑) いやいや受け売りはさておき、真面目に発想が面白いなと思いました。

フラワーフラワーアクアリウム ②

フラワーフラワーアクアリウム ③

奥行きがあるので、金魚たちが優雅に泳ぐスペースが設けられています。でも、水槽内部へ食い込む筒の森の中をちょっと彷徨う金魚の姿も良かったです。ちなみに使われている花は造花だけれど、本物の花を生けることももちろん可能...だと斎藤工さんに教わりました。

フラワーフラワーアクアリウム ④

あとこの出目金が、個人的にはとてもハマりました。この記事本文の “ 作成 ” 時点では金魚を飼っていないので、次飼う機会があればこの種類が欲しいです。(*^_^*)

金魚コレクション ①

花と金魚のアートの周囲には、壁に円柱状の水槽の埋まる【金魚コレクション】がありました。水槽ごとに金魚の種類の分けられているこの水槽の特徴は、壁から突き出していること。上下左右含め様々な角度から金魚を観賞することが出来ます。突き出した水槽のエッジ(ふち)部分が分厚く見えないので、作品として締まっている感じがしました。

金魚コレクション ②

金魚コレクション ③

記事を作っていて、せっかくなら下からの写真も撮っておけばよかったと反省しています。(汗) メダカだと観察容器に入れて下から見ることは出来ますが、それでもずっとそう見ていられるわけではないので、その点この水槽は金魚を下から見られて良いですし、お金を掛ければ自宅でも似た観賞方法を実現出来るかもしれませんね。

石庭リウム ①

お次は、【石庭リウム】のエリアです。石庭や枯山水の庭園というと水の要素を取り除かれたものなので矛盾を感じるところです。石に見立てたキューブ状の水槽に、金魚を泳がせた作品。

石庭リウム ②

石庭リウム ③

他の作品に比べるとライティングの演出は控えめ?で、木漏れ日の差すような落ち着いた印象を受けました。ちょっと残念だったのが、金魚ちゃんのお顔をよく拝見出来なかったことかな。逆にお顔がちゃんと見える演出を目指すと、全体的な “ 石庭 ” というコンセプトからは離れてしまう感じもするので、難しいところですかね...。

丸窓リウム

石庭エリアの壁側にあったのは、【円窓リウム】。茶室などで見られる伝統的な円窓(まるまど)の奥に、金魚の世界がありました。

円窓リウム ②

今回アートアクアリウム美術館を訪れて気付けたのが、私は出目系の金魚が好きなのだということ。好みの金魚を見つけるのも楽しみの一つですよね。(^^)

灯籠リウム

そして【灯籠リウム】。私の鑑賞していた時間だけなのかもしれませんが、ライティング演出がカラフル過ぎる感じがして、 “ ちぐはぐさ ” や中途半端な印象を受けました。アートアクアリウムとしては正解だけれど、自分の頭の中にある灯籠のイメージとは結び付かなかったかな。さて、続いてのエリアでは【落ち着いた和】の世界から一転し、【華やかな和】の世界へといざなわれることになります。

館内での鑑賞 ~花街編~

花魁道中 ①

【花魁道中】です。花魁(おいらん)関連の作品は、アートアクアリウムにおいて最も有名なテーマではないでしょうか? 巨大な金魚鉢を1人1人の花魁と捉えて、花街を歩く姿を連想することが出来ました。あと金魚鉢って斜め下の角度から見上げて観賞するのも美しいかなと感じました。

花魁道中 ②

花魁道中 ③

花街の花魁を描いた絵画が飾られていました。絵の中にも金魚がいますね。

花魁道中 ④

花魁道中 ⑤

花魁道中 ⑥

巨大な金魚鉢の縁から流れ落ちるの存在が、神秘的な印象を与えてくれました。

アンドンリウム ①

花街の足下にあったのが、【アンドンリウム】になります。行燈(あんどん)ですね。鑑賞している間はよく分からなかったのですが、側面がレースで施されたグラフィックに覆われているそうです。蝋燭によるぼんやりとした炎の灯りが再現されていて、リアルな感じがしました。(^^*)

アンドンリウム ②

先ほど見た【石庭リウム】では、金魚たちの顔や体の表面がよく見えないことについて少し残念に思ったものの、こちらの【アンドンリウム】ではよく見えないことが大正解ですね。逆光もあってぼんやりとした姿になるのが良い。

金魚大門(金魚大提灯) ①

花魁作品は2つのエリアに跨っていて、その中間に構えるのが【金魚大門】になります。そして門の上にどっしり置かれているのが、【金魚大提灯】。私は近視で視力が悪いのに、何で眼鏡を持って行かなかったのかと反省です。(汗) でも、“ 金魚なのに間近で観れない/離れた場所から鑑賞(観賞)する ” って、何だか斬新な感じがしました。固定概念を揺さぶられるような感覚がして面白いなと思いました。

リフレクトリウム ①

大門の両脇には、【リフレクトリウム】が鎮座していました。複雑な多面水槽の表面に、様々な種類のレンズが付いています。

リフレクトリウム ④

リフレクトリウム ②

リフレクトリウム ③

金魚の姿が複雑になり過ぎて、近くで観ると何が何だか。(笑) 水槽の形・構造として芸術性が高いように思いますし、どうやって飼育水を充満させたり金魚を出し入れするのかなと興味を持ちました。

天井金魚 ①

大門をくぐる途中で見上げると、【天井金魚】の展示がありました。水族館でも似たような展示方法がありますが、観賞魚の金魚だからこそ個室に移して、1匹1匹にステージを用意したのだと思います。

天井金魚 ②

鏡面がピラミッド型になっているのかな?ライティングの知識はあまりないですけど、他の作品と違って “ 人の頭上から魅せる ” ってまた違った難しさがあるように思います。美しかったです。(^^)

アートアクアリウムの家紋?

大門に飾られていたオブジェです。金魚の体の両脇にまで伸びる尾びれの表現が面白いなと。着物を表現しているかのような。

花魁道中 ⑦

大門をくぐると、花魁道中の世界が続いていました。

花魁道中 ⑨

花魁道中 ⑧

花魁道中 ⑩

球体の金魚鉢の中で密に泳ぐので、一瞬イワシの群れを連想しました。でも、金魚の場合はお互いに進行方向を合わせたりせず悠々と泳ぐので、1匹1匹を追って観賞出来ますね。

ボンボリウム

2つ目の花魁道中のエリアには、雪洞(ぼんぼり)をモチーフにした【ボンボリウム】がありました。上記に登場した【カレイドリウム】や【リフレクトリウム】だと、アクリルガラス面にレンズが埋め込まれて所々が歪んで見える面白さがあって、この【ボンボリウム】だとアクリルガラス面そのものがカーブを描いていることから、歪んだ姿の金魚の全貌をはっきり観賞出来ました。(^^)

花魁 ① & テマリリウム ①

花魁道中の最後、一番大きく荘厳な姿を見せてくれたのが【花魁】になります。アートアクアリウムの原点となる作品。斎藤工さんの音声ガイドがとても印象的でして、花魁(花魁道中)では敢えて名もない雑種の金魚を泳がせているそうです。そして、

“ 人に愛でられる為に生まれてきた金魚 ”
“ 自らの生い立ちに運命を委ねることなく、這い上がってきた強さを花魁と重ねている ”

といった旨の解説がビビッときました。【花魁】作品中で泳ぐ金魚たちは、花街(アートアクアリウム)の象徴であり、美しさや豪華さの頂点であり、そして花魁と同じく儚さも兼ね備えているという。コンセプトがしっかりしていて、監修の木村氏の思い入れの強さが伝わってきます。

花魁 ②

この【花魁】作品を鑑賞する中で感じたこと等は、また改めて下記で触れようと思います。

花魁の後ろの水槽

【花魁】の背景で泳ぐも見逃してはいけません。説明はなかったけどおそらく錦鯉。枠は菊の花の模様でしょうか? 鯉の体で花びらの模様を彩ることが、物凄く贅沢な表現だなと感じました。花魁作品の世界にぴったりですね。(^^)

テマリリウム ②

そして先ほども写真に出てきました、花魁の周囲にある球体は【テマリリウム】になります。手毬ですね。発祥は奈良時代以前ともいわれる伝統の伊賀組紐を使用し、古代の日本に存在した煌びやかな世界を表現しているとのことです。こちらも贅沢さが溢れ出ています。

館内の鑑賞 ~後半~

金魚品評 ①

花街を抜けると、どこか懐かしさを感じるエリアへ着きました。【金魚品評】です。私はメダカメインの飼育者ではありますが、金魚といえばやはり本来は上から観賞するものだというイメージが強いです。また、館内ではこれまで「アートとしての金魚観賞」の展示だったのが、このエリアでは「金魚観賞としてのアート」の展示へと視点が変わったような印象を受けました。

( 私の表現が伝わりますでしょうか? 汗 )

金魚品評 ②

金魚品評 ③

上からも横からも、好きなだけ観賞出来ます。個人的にこの【金魚品評】の作品群が、アートアクアリウム美術館の中では一番のお気に入りなので、以下写真を物凄く載せています。

金魚品評 ④

金魚品評 ⑦

金魚品評 ⑧

金魚品評 ⑨

金魚品評 ⑩

金魚品評 ⑫

まずは「上見-兼-横見」「上見」の写真を並べてみました。これまでは水槽のアクリルガラスのエッジを際立たせた作品がたくさんあったのに対し、一方こちらの作品群では飼育水の表面張力を利用して上面のシャープさを演出しています。次は、「横見」メインの写真の連投です。

金魚品評 ⑥

金魚品評 ⑬

金魚品評 ⑭

金魚品評 ⑮

金魚品評 ⑰

金魚品評 ⑯

金魚品評 ⑪

今回撮ってきた写真の中で、一番のお気に入りは最後の写真です。当記事のアイキャッチ画像としても使用しました。(^^) このエリアでは変に構えることなく、リラックスして金魚観賞を楽しめたと思います。

アースアクアリウム・ジャポニズム ①

落ち着いた金魚の観賞エリアを抜けると、視界の開けた錦鯉のエリアへ。花魁作品と同じく迫力を感じさせるのが、【アースアクアリウム・ジャポニズム】です。地球に見立てた水槽には世界地図が描かれており、中を錦鯉が悠々と泳いでいました。

アースアクアリウム・ジャポニズム ②

アースアクアリウム・ジャポニズム ③

地球の色は様々に移り変わり、表面を流れる水が「水の惑星」であることを象徴しているようにも感じました。私が少し残念に思ったのが、世界地図のこと。写真では、地球の表面にある白い線が見えないですよね? 肉眼では見えましたが、錦鯉観賞の邪魔をしたくないからか存在がとても薄かったので、地図の線が光輝くとか、そういう工夫を加えられたらもっと素敵なのにと思いました。m(_ _)m

あと、ここの鯉たちは錦鯉発祥の地とされる新潟県山古志村から取り寄せたものだと、斎藤工さんが教えてくれました。(^^)

フローティングリウム ①

地球の周囲を囲っているのが、【フローティングリウム】です。【金魚品評】と同様に “ 水槽感 ” をなくしたシンプルな展示で、間近で観る錦鯉のスケールの大きさに圧倒されます。横から見ると迫力があって少し怖い感じもします。

フローティングリウム ②

たまたま、私の居た時間帯のライティングが落ち着いた感じだったのかもしれません。こんなに立派な錦鯉を観れる体験なんてそうそうないことなので、もっと柄とか見やすいライティング演出をしてくれたらいいのになと思いました。(汗)

金魚の杜 ①

錦鯉のエリアを抜けると、いよいよ “ トリ ” のエリアです。【金魚の杜】です。金魚の入る柱が、 ※1 杜(もり)の中の1本1本の木々を思わせます。ライティング演出がとても綺麗なので、本当に神秘的な感じがしました。

※1 ちなみに、杜とは神社やその付近といった神域にある木々のことで、 “ 神秘的な森 ” の意味合いもあります。

金魚の杜 ②

金魚の杜 ③

1本1本の柱は、見惚れてしまうほど美しかったです。そして天才的で凄いなと感心させられたのが、足下に複雑な段差があること。段差がある以上、お客さんは必然的に足下に注意しながら移動しますよね? 暗い世界の中、<段差の模様><ライティング><柱>といった視覚要素が複雑に影響し合って、非現実的な世界にやってきた感覚がしました。仮にもしこの【金魚の杜】だけしか展示物がなかったとしても、デートスポットとして来る価値があるなと断言出来ます!!(*^^*)

金魚の杜 ④

金魚の杜 ⑤

ここで、音声ガイドによる解説は終了となりました。音声ガイドって元々落ち着いたトーンの喋りが収録されるものだと思いますど、斎藤工さんの甘くて重みも乗せられる声が、アートアクアリム美術館の世界観にぴったり合っていました。音声ガイドを付けて本当に良かったので、この記事をご覧の皆様にもオススメです。(^^)

1Fから2Fまでの階段の中

【金魚の杜】を抜けるた通路には、これまで展示されていた作品の名称とその解説をするパネルがありました。そして、2階へと上がる階段には日本画が飾られていて、

お面

階段を上がるとお面が並べられていました。「おぉぉ...。」といった感想です。そして2階から先ほどの【金魚の杜】を見下ろすと...

金魚の杜 ⑥

上からの景色も最高でした。(*^0^*) 俯瞰出来るだけでなく、杜の中で作品を楽しむ “ 他のお客さんもアートの一部 ” として捉えられる感覚がしました。

金魚の杜 ⑦

金魚の杜 ⑧

金魚の杜 ⑨

1階からだと見上げていた映像演出が、2階だと正面から観ることが出来ます。

舞台

また、2階に上がると目の前に飲食の出来るスペースがあって、老松の飾られる能楽の舞台もあります。ここの席に座ると、飲食や【金魚の杜】の映像演出を楽しめたり、時によっては伝統芸能も堪能出来るわけですね。

アートアクアリウム美術館の着物 ①

2階の通路には、金魚の描かれた着物が飾られていました。1階にあった花魁の絵や階段の絵、お面や着物の展示も含めて “ 日本文化の発信 ” というテーマが伝わってきます。外国人観光客に対してはもちろん、日本人に対しても日常ではあまり触れる機会の少なくなった自国文化について気付かせてくれるなと思いました。

アートアクアリウム美術館の着物 ②

アートアクアリウム美術館の着物 ③

アートアクアリウム美術館の着物 ④

着物は3つあったので、それぞれの柄の中から好きな金魚を1匹ずつ撮ってみました。(^^)

物販前の金魚 ①

物販前の金魚 ②

2階には他にもう1つの飲食提供のエリアがあって、更に順路に沿って進むと土産物店エリアの前に金魚が展示されていました。その直前に入ったトイレでは、内装が綺麗でスペースがゆったりしていたので「トイレ内に金魚が展示されていてもいいのにな~」と思っていたところでした。最後の最後、もう一度金魚を観賞出来てよかったです。

アートアクアリウムの車

土産物店で買い物をして、階段を下りて1階に戻ると出口でした。出口は建物の北側にあって、最後素敵なお車があったので撮ってみました。これにて、今回のアートアクアリウム美術館の鑑賞は終了しました。

お土産に買った物

あまり日本橋方面へ出掛けることがないので、久々にパウパウアクアガーデンの銀座店とか寄ってみたかったです。でも、アートアクアリウム美術館の土産物店で買ったある物のことが心配で、直帰することになりました。

アートアクアリウム美術館の紙袋

まず、上の写真は土産物店で買い物した際に貰った紙袋です。シックな感じでとても気に入りました。そして何を買ったのかというと...

アートアクアリウム美術館のロールケーキ ①

ロールケーキです!(*^0^*)♪♪ 魅力的なお土産がたくさんある中、この更紗金魚柄のロールケーキのインパクトが強過ぎて買ってしまいました。(笑) ただ、私が訪れた2020年9月9日の東京は30度超えの真夏日だったので、生クリームが溶けて悲惨な姿にならないよう早く帰らなければいけなかったというわけです。

アートアクアリウム美術館のロールケーキ ②

開封するとこのような感じです。あと買った後に気付いたのですが、堂島ロールで有名な「パティスリー モンシェール」とのコラボ商品だったんですね。価格は税込みで1950円でした。

アートアクアリウム美術館のロールケーキ ③

私が特に気になっていたのは、生クリームの内部にある金魚をモチーフにした2色のゼリー。金太郎飴のようにこのゼリーはどこで切っても現れました。生地も生クリームもゼリー部分も、とても美味しく頂きました。♪♪

 

アートアクアリウム美術館で感じたこと・考えたこと

改めて「美術館」としての感想について

アートアクアリウム美術館を訪れたこと全体の感想として、私は楽しかったです。夫婦やカップル、友達同士で来館する人もいれば、私のようにぼっちで訪れる方や音声ガイドを聴きながらゆっくり鑑賞される方も当然いました。動画撮影の出来る18:00からの時間帯に、また訪問出来たらなと思います。(^^)

 

金魚の見せ方/魅せ方のバリエーションに、感心させられる点が多々ありました。どうやって作られるのか想像も出来ないような展示水槽の造形美には驚かされましたし、(私の視力の問題だけではないと思いますが)各作品内に金魚のフンが全然見られなかったことからも、水槽の構造面や裏側での工夫が伺えます。

 

よくよく見てみると、展示水槽内やその周囲にはビー玉や、アクアショップで見覚えのある人工水草が使われていて、お金を掛けるところと掛けないところのメリハリの付け方に個人的には感動を覚えました。一般の飼育者でも、自宅のアクアリウムで参考に出来る点が多かったのではないかなと思います。

 

「水族館」なら、展示エリアごとに生き物の解説パネルがありますよね? 「アートアクアリウム “ 美術館 ” 」ということで、美術作品として鑑賞してもらいたかった思惑もあったのだと思いますが、あまり金魚の種類に詳しくない私からすると種類の説明もあった方が嬉しかったかなと思います。「何でこの作品には、この種類を泳がせるのが良いのか?」とか。でもそうすると「水族館」に寄り過ぎてしまう可能性もあるので、各エリア隅の薄暗い場所に小さいパネルを設置するとかがいいのかな?

倫理的な問題における「自論」

上述したように、今回私が「アートアクアリウム美術館」に興味を持ったのは、そこにあるものを自分の目で確かめ、自身がどう感じるのかを知りたかったからです。批判的な声がSNSやテレビメディアで取り上げられているのを目にし、アートアクアリウム美術館の目指す表現は「本当に金魚に対する虐待なのか?」「倫理的・道徳な観点からしてどう捉えるべきなのか?」という疑問を持ったのです。

( 平たく言えば、私は野次馬の一人です。 汗 )

私がアートアクアリウム美術館で観賞してきた金魚について、SNSでアップされているような病気の個体や体調不良の個体はいなくて、元気に泳ぎ回る金魚がほとんどでした。白点病を患っている個体も見受けられませんでした。でもそれは、私が開館間もない時間に訪れたからであって、閉館に近い時間帯だとまた違った光景が広がっているという可能性もあるかもしれません。

最後の作品【金魚の杜】の音声ガイドでは、斎藤工さんの後に木村英智氏からのご挨拶が収録されていました。その中で印象に残ってメモしたのは、

“ 金魚は人からの無償の愛を受けることを約束されて生まれた生き物  ”
“ (コロナにより)混沌とした世の中ですので、(人→金魚の関係のような)与える愛についても考えていただけたら ”

というご発言です。

 

アートアクアリウム美術館を訪れてから、私は「金魚の幸せとは何なんだ?」という視点で考え続けていました。本当に作品の中の金魚たちは、「可哀想」だったり「虐待を受けている」と言えるのか...?

 

私が思うに、一般の金魚飼育者の考える “ 金魚の幸せ ” とは、金魚に対して飼育者から

① 毎日餌が与えられて
② 密度の低い水槽に入れてもらって
③ 定期的に水換えしてもらって
④ 定期的に床掃除をしてもらって
⑤ ストレスの素は出来るだけ排除してもらって
⑥ その他病気予防の策を講じてもらって
病気になってもすぐ治療してもらって
⑧ 長生きさせてもらって
⑨ 適度に観賞されて
⑩ 最期まで飼育されて


といった扱いを受けることだと思います。上記の①~⑨の一つ一つが「可愛がる」行為であり、①~⑨の中身一つ一つを充実させていくことが「大切にする」行為であり、①~⑨を総合的に勘案した際に「幸かどうか?」や「虐待かどうか?」といった判断を主観で下すものだと考えています。飼育者によっては、「繁殖の機会を与えてもらうこと」といった他の条件の加わることもあるかと思いますし、基準の厳格さは人によって様々ではあるものの基本的にはそういうことだと思います。

 

それはそれで置いておいて、監修の木村英智氏の考えを私なりに勝手に拡大解釈してみると、

“ 金魚は人に愛でられる為に生まれた生き物なのだから、人に愛を与えられる(=観賞される)ことこそが幸せなのであり、だからアートアクアリウム美術館で大勢の人に愛でられる金魚は幸せだ ”

という理論が成り立つと思います。アートアクアリウム美術館の立場からの主観として、人に観賞(鑑賞)されることを “ 金魚の幸せ ” として重きを置いていると、受け取ることが出来ると思います。

 

一部の批判の中で指摘されているような、展示水槽によっては金魚が過密な環境に置かれていることライティング演出によって金魚がストレスを受けていることついては、確かにその通りなのかもしれません。私自身、【花魁】作品は過密だと思いましたし、特に【金魚の杜】ではライティング演出に感動しつつも金魚のことを心配したのは事実です。

 

でも、アートアクアリウム美術館では ※2 水質管理のプロフェッショナルが金魚の生育環境の最適化を目指していること、病気の個体へは精一杯の愛情をかけての対応を行っていること等を丁寧に主張されていますし、上記に挙げた飼育者にとっての “ 金魚の幸せ ” を判断する複数基準からも大きく逸脱したものには当たらないのではないでしょうか? “ 一番幸せ ” な扱いを受けているとは思えないけど、それなりに幸せに生きているとは言えないでしょうか?

※2 アートアクアリウム美術館のホームページ内の「当館の生体管理体制に関して」という記事にて、生体管理に関する丁寧な説明がなされています。
( https://artaquarium.jp/news/20200908/11/ )

また木村氏の仰っていたように、事実として金魚は野生に存在していた生き物ではなく、人間がフナから改良を進め観賞性を持たせる為に人間が作出した生き物なので、そういう歴史背景からしても金魚をアート作品の一部として扱い展示すること自体に私は不自然さを感じられなかったです。もし犬や猫といった他の生き物を対象にした美術館であったなら、その対象ごとに話は変わってきますけどね。

「メダカの話」と絡めて言いたいこと

私自身、変わりメダカの飼育を続ける中で「オリジナルの新種作出を目指したい」という目標を持った時に、 “ メダカの選別 ” という倫理的な問題に直面しました。自分の手で新種メダカを作るには、親魚メダカから膨大な数の子孫を確保し、その中から次の親魚候補を厳選する。その結果、親魚には選べない大半の個体については、育成を止めたり積極的に数を減らさなければいけない・・・という問題のこと。

 

生き物を扱うことを仕事にする上では、誰もが倫理的な問題に直面するわけです。ブリーダー(養魚場)にはブリーダーの立場と正義がありますし、ペットとして生き物を消費する飼育者には飼育者の立場と正義があります。そして、アートアクアリウム美術館にはアートアクアリウム美術館の立場と正義があります。

金魚含め、生き物に対する人間の接し方、扱い方について議論を続けていくことはもちろん大切です。動物愛護法など生き物関連の法律の力を使って、観賞魚に対する人の在り方・接し方をより明確にする必要も、将来必要になるのかもしれません。でも、それぞれの人にそれぞれの立場や正義がある中で、外野が簡単に「可哀想!」だとか「虐待だ!」等と批判を集めることに、私は以前から違和感を覚えていました。

 

そして自分の目で確かめにいった結論として、私はアートアクアリウム美術館による金魚の展示については肯定的な印象を抱きました。批判の集まりやすいテーマを扱い挑戦し続けることに尊敬しますし、今後も陰ながら応援したいなと思いました!(^^*)

 

最後に

「アートアクアリウム美術館」は、アート作品の鑑賞としても金魚や錦鯉の観賞としても楽しかったので、是非オススメです!!

 

本日の写真

煮干し君 ①

写真は、私が煮干し君という名前を付けて一番可愛がっているメダカになります。可愛がるといっても、悠々と泳げるバケツ水槽にて1匹だけで飼って、掬って観察するだけですけどね。

煮干し君 ②

梵天メダカの血を継ぐ個体なので、体外光は頭部から発達していきました。まだ辛うじて背びれの部分まで光が到達してないので、ギリギリ幹之の見た目ではありません。

 

煮干し君は、先天的にぐちゃぐちゃな体をしていました。セオリー通りに選別外にするのは何だか心苦しくて飼い続けたのですが、ある時彼を観ていたら何だか

“ ハンディキャップなんて関係ないんだ! とにかく生きるんだ!! ” 

というメッセージの伝わってくる感じがしました。アートアクアリウム美術館の【花魁】作品における斎藤工さんの解説にて、 “ 生い立ち ”“ 運命 ” 、 “ 這い上がってきた強さ ” というワードを耳にした時、私は煮干し君のことを思い浮かべました。ある意味、煮干し君は私にとっての象徴的存在だとも言えます。(^^*)

 

本日はここまで。

当ブログをご覧いただき、ありがとうございました!!