【結果発表】メダカの性選択を “ オス ” へと操る仮説検証(2022/8/20)

こんばんは。(くもり、のち小雨)レモンパイです。だんだん暑さの和らいで来たのを肌で感じます。室外メダカの方面ではそろそろすだれは不要かな?今夜はカボチャのそぼろ煮などを作りました。

今日のお昼は、月1で通っているマイ神社へ行きました。拝殿ではいつものように2礼2拍手をして心の中でいろいろ唱えていたのですが、ほぼ同じタイミングで私の隣に来た30~40代くらいの女性がガッツリめなボリュームで唱え始めました。住所も名前も思いも諸々に。(笑)

 

拝んでいる他の参拝者が集中出来なくなってしまう問題について、その女性はどう捉えているのかな~と私は思いました。またそう思ってしまった私は、他人の目を気にし過ぎなのかなとも、勝手に「こうあるべき!」という自分ルールを決めて自分の首を絞めているのかもな~とも思いました。月1で神社に通っているのも、いつの間にか決めた自分ルールですし。闇は深い。

 

「メダカをオスに育て上げる仮説」の実験結果

それでは本題に入ります。かなり久々の、メダカの「実験記事」の投稿です。昨年2021年秋より、 “ メダカにオスを性選択させる方法を見つけたのではないか? ” という私の仮説を検証してきました。その実験結果が揃ったので、今回の記事でご紹介します。

 

結論からいうと失敗に終わったのですが、次の実験に繋がるヒントを得ることが出来たと思います。

 

私の「メダカをオスに性選択させる仮説」の概要

そもそも、私がなぜメダカの【性選択(←生まれてから成魚になるまでの段階の性別)】を操作出来ると思ったのかについてご説明します。第一に、(1)メダカは性転換をする生き物であるという事実があります。自宅では過去にも性転換に関する軽めの実験を行っていたこともあって、飼育者が何らかのアプローチを試みれば操作は可能であろうと考えていました。

そして一番大きかった理由が、自宅のメダカにおいて(2)特定の条件下で飼っていた個体の性別が何故か連続でオスだったという事象が起こったからです。

「成長観察記事」用個体の水槽

ここでいう特定の条件下というのは、上の写真にあるような100均容器にて

☆ 各容器メダカを1匹だけで飼う
☆ 飼育水量は500mℓ~700mℓ程度

というものです。何で1匹だけで飼っている個体がいるのかというと、このブログ内で 「成長観察記事」というメダカの誕生から死没までの記録を記事にするプロジェクトを行っているからです。1匹だけを追えば成長や老化の過程が分かりますし、精度の高い寿命の算出も可能になります。

成長観察個体の中には、孵化しなかった有精卵や成魚にまで育たなかった稚魚もいたのですが、これまでに無事成魚になった6匹の個体の全てがオスだったのです。

 

その事実を受け、偶然とは思えなかった私は “ メダカを卵や稚魚の段階から単独で飼育し続けていれば、オスへと性選択させることが出来るのではないか? ” という仮説を思い付きました。それをおよそ1年近くかけて調べていたわけです。

 

今回の性選択実験

実験概要について

今回の性選択実験では、24匹の個体に被験魚となってもらいました。

メダカの性選択実験の資料①

上のイラストは被験魚24匹を表しています。2021年9月中旬~下旬より、いずれもオリジナル系統の「黒系」「二重あご系」「オカメ系」「レモンパイ系」の4つの繁殖用水槽からそれぞれ6つずつ有精卵を集め、①~⑥の識別番号を振り当てました。卵の姿までは、全てプリンカップにて管理していました。

メダカの性選択実験の資料②

メダカの性選択実験の資料③

各系統①~④までの被験個体については、孵化または孵化直前のタイミングになったら上にある小さな容器での単独飼育を開始しました。これまでの「成長観察記事」用の被験個体と似たような狭めの環境です。

メダカの性選択実験の資料④

他方、各系統の⑤~⑥の被験個体については、上にある容量5ℓ程度の大きな容器での単独飼育を行いました。飼育水量の大小の違いによって性選択の結果が変わる可能性もあるかなと思ったので、【①~④】と【⑤~⑥】の群で条件を分けてみたのです。

 

育成中の諸条件について

育成期間中の諸条件について整理します。

☆ 被験個体はずっと1匹だけ
☆ 一時的にでも他の個体とは混泳させない
☆ 水換えの頻度は1~2週間に1回
☆ 一度の水換え量は 1/3 ~半量程度
☆ 稚魚時代のエサやりはゾウリムシパウダー餌ミジンコ
☆ 若魚以降のエサやりは粒餌パウダー餌ミジンコ
☆ 日当たりの良い場所に水槽を置く

上記のような条件です。比較実験でもあるので、他のあらゆる要素は出来るだけ<系統>ごとや<識別番号>ごとに違いが出ないように意識しました。例えば、日当たりの良さも細かく見ればポイントごとに異なるので、水槽の位置を数日おきに交換する等の工夫もしました。

 

番号を振った個体が成長過程で脱落してしまうケースもあったので、その際は代替個体を用意していました。最初の頃は、卵の段階で脱落したら別の卵(←同じ親)を選んでいたのですが、季節的な問題もあってだんだん代替の卵を入手するのが難しくなり、10月以降は稚魚の段階で脱落したら同じくらいのサイズの別の稚魚(←同じ親)を選ぶようにしました。また、体長 1.5cm を超えるサイズの個体が脱落したら、もう代替は行わないことにも決めました。

実験結果

それでは今回の実験結果をご紹介します。2022年5月20日に、成長の速かった各系統の⑤~⑥の性別チェックをして彼らの被験期間は終了にし、全員成魚になったと判断した8月11日に①~④の性別チェックも行いました。まとめると以下のような内容です。

【成魚時点での性別結果】
黒 ①:—
黒 ②:メス
黒 ③:—
黒 ④:メス
黒 ⑤:メス
黒 ⑥:メス
あ ご①:オス
あ ご②:—
あ ご③:—
あ ご④:—
あ ご⑤:メス
あ ご⑥:メス
オカメ①:—
オカメ②:メス
オカメ③:メス
オカメ④:メス
オカメ⑤:メス
オカメ⑥:メス
レモパ①:—
レモパ②:メス
レモパ③:—
レモパ④:—
レモパ⑤:メス
レモパ⑥:メス
( ※ “ - ” は途中で脱落)

全24匹の被験個体のうち、性別チェックの段階まで生き残ったのは15匹で、そのうちオスになったのは1匹だけでした。・・・私の仮説が脆く崩れ去ったこと以上に、メス率の高さに驚かされました。

このメス率の高さは偶然ではなく、逆にメスへと性選択させるような何らかの作用が働いてしまったのかなと、この記事を書いた現在は考えています。例えば飼育水量の多い水槽(=⑤~⑥)では、ミジンコ含め微生物がたくさん殖えてくれるので、私としては①~⑥に対して平等にエサやりしているつもりでも、中で飼う個体の成長スピードが速くなる等の栄養状態が良くなる条件ではありました。でも、飼育水量の少ない水槽(=①~④)でもオスは 1/7 しか居なかった結果はどう見ればいいのか?・・・う~ん。

 

最後に

今回はモヤモヤ感の残る実験結果となってしまいました。(汗) 失敗を踏まえた現時点での私の新仮説をご紹介すると、

○ 飼育水量の少なさというより、厳密にはメダカを低栄養状態(←太らせない)で終始育て上げるとオスになりやすいのではないか?
○ メダカを大きな水槽にて単独で飼う(←今回実験の⑤~⑥)と、100%メスへと性選択させることも可能ではないか?

というものを抱いています。そして今度は、上記にあるメダカをメスへと100%性選択させる実験を行ってみることにしました!結果を出すのは来年なので、またその際に記事を投稿したいと思います!!

 

本日の写真

本日の写真をご紹介する前に、まずは以前撮った写真から。

侵蝕目系βメダカ ②

現在自宅で2匹いる、青い瞳を持つ個体です。ちょうどオスメスが揃ったので、今年の繁殖シーズンでは彼らから採卵を行っていました。そして1枚目の個体の本日の姿がこちら。↓

侵蝕目系βメダカ P

チャームポイントだった青い瞳が消えていたのです。厳密にはスモールアイへと変わったのかな?怪我をしたのか、はたまた他の要因があるのかは分かりません。写っていない左目は変わらず青い瞳のままでした。今回の実験結果もそうですが、メダカの生態って不思議なことが多いです。

 

本日はここまで。

当ブログをご覧いただき、ありがとうございました!!