メダカへの「ゾウリムシ」と「PSB」の比較実験

こんばんは。(雨)レモンパイです。今日から、2019年の後半戦が始まりましたね!!・・・そう考えると、何だか憂鬱になります。(汗)

最近になって気付いたのですが、私はメダカ飼育において積極的に実験をして、その実験内容や結果を記事にしていったら良いのかなと思いました。そういう記事なら読者の皆様からの需要が高そうですし、ネタ作りには困りにくいはずです。

 

ということで、今回は飼育下のメダカに対して行ったある実験の記事を用意してみました。構想は1ヶ月半前からで、実験期間は1ヶ月に渡ったものになります。大変な部分もありましたが、やっていて楽しかったです。(^^)

 

ゾウリムシとPSBの比較実験について

それでは、本題に入ります。メダカの「テーマ記事」です。今回は、2019/5/29~6/28の ※1 “ 1ヶ月の間に行ったある比較実験の結果 ” について、書いてみることにしました。

※1 比較実験を行うことになったきっかけは、2019/5/21の記事:2019年の内に試してみたいメダカのことにて記しています。

良い意味で予想を裏切ってくれる結果が得られたので、今回の実験をやってみて個人的には満足しています。(*^^*)

 

今回の実験の動機

今回の実験では、メダカの稚魚(針子)へのエサとして重宝されるゾウリムシと、ここ1~2年で見聞きする機会の増えたPSB( =水質浄化栄養細菌、光合成細菌 )について、その使用によって「稚魚へどんな効果があるのか?」を比較検証してみることにしました。ここでいう効果とは、実験期間を終えた時点での、稚魚の生存率成長度合い健康状態のことです。

 

※2 ゾウリムシについては、去年2018年の段階から自宅のメダカ飼育現場で取り入れいて、PSBについては今年から興味本位で少しずつ導入しています。

※2 ゾウリムシの培養方法などについては、2019/6/28の記事:「メダカ飼育におけるゾウリムシの活用方法」にてまとめています。尚、PSBに関する説明については省略いたします。 m(_ _)m

ゾウリムシの活用については、何となく「針子が脱落しにくいのかな?」「針子の成長が速くなっているのかな?」という感触があったものの、全て僅かな感触に過ぎず不安になっていた自分がいたので、PSBを買ってみた今回をいい機会だと捉え、2つの比較実験をすることに決めたわけです。使用によって、稚魚(針子)たちにどんな差異が生まれるのかを調べたかったのです。

 

実験の概要について

今回の実験の概要については、

稚魚用水槽を3つ( =A、B、C )用意して、同時に稚魚の育成を始める
○ 各稚魚用水槽では、全て同じ親魚から生まれた兄妹同じ数から育成する
○ 【A水槽】の兄妹には、ゾウリムシ&通常のパウダー餌を与える
○ 【B水槽】の兄妹には、PSB&通常のパウダー餌を与える
○ 【C水槽】の兄妹には、通常のパウダー餌のみ与える
○ 各稚魚用水槽では、他の条件が揃うように出来るだけ努める

となります。単にゾウリムシを与える水槽とPSBを与える水槽の2個を用意するだけだと、両者の比較にしかならないので、通常のパウダー餌のみを稚魚に与える【C水槽】も用意してみました。

黒三種メダカ P

今回の比較実験に協力してもらった親魚メダカについては、上の写真の黒三種メダカになります。オリジナルの系統で、オス3匹&メス2匹でペアリングさせていました。彼らは黒系メダカなので稚魚は小さくても黒いので観察しやすいですし、繁殖用水槽からの採卵状況も安定していたことから、黒三種メダカの子孫( = F1 世代 )を今回の被験魚に選んでみました。

比較実験の図

ちなみに上の図は、先月の記事で使ったイメージ図になります。先月の時点で立てた計画を、そのまま実行してみたことになります。

 

今回の実験において一番重要な観点があるのですが、それは【A水槽】【B水槽】【C水槽】共に、他の飼育条件は考え得る範囲で同じにすることです。挙げるとキリがないのですが、例えば

・稚魚用水槽の立ち上げの時に、同じ水源の飼育水を3つの水槽に均等に分けて使う
・水槽を手入れする際は、3つの水槽全てを同じ日に同じように手入れする
・3つの水槽には不確定要素であるミジンコやソイル等を入れない、混入させない

といったこと等になります。そうでないと、後に入手することになる結果への信頼度が下がってしまうのです。

 

実験を始める前に理解しておくべきこと

実験期間のことや結果については下記にありますが、実験を行う前に理解しておくべきこと( 理解いただきたいこと )があります。それは、実験結果を無事に入手出来たとしても、その結果を99%以上のレベルでは信頼することは出来ないということです。

 

何故なら、メダカという生き物相手の実験になりますし、私の考え得る様々な他の飼育条件を揃えても、 “ 何らかの僅かな差異 ” がだんだんと大きな差異をもたらす可能性があるからです。

 

例えば、ある飼育スペースに同じ形の水槽を2つ並べて、同じ日に水道水を同じ水位になるように注いだとしても、2週間後には水槽内の水の色付きに明確な差が出てしまうことがあります。目に見えない部分の変化であれば、もっともっと大きな違いがあるかもしれません。

 

今回の実験は、数十もの水槽や数百ものメダカを使った大規模な実験でもないので、得られる結果から、ゾウリムシやPSBの効能を断言できるわけではありません。

 

実験期間中について

では、実際に実験期間中にやったこと等について書いていきます。

~卵の回収&管理編~

・今回の実験を行うにあたり、【A水槽】【B水槽】【C水槽】それぞれの為の卵の管理容器と、それぞれの為の新品の同じ形の水槽(飼育容器)を用意してみました。

比較実験用の卵の管理容器

・まず上の写真は、今回使った卵の管理容器です。100均のコップですね。

比較実験で使った水槽

・続いての写真は、今回3つの水槽に使った100均の飼育容器です。余談ですが、私は100均の飼育容器ではこのダイソー「米びつ兼フードストッカー 3kg用」を愛用しています。直射日光に晒される室外環境で使っていても、素材が良いのか分厚いからか劣化しにくく丈夫なのです。縁がしっかりしているので、片手で持っても壊れにくいですね。

・黒三種メダカの繁殖用水槽から、比較実験用の卵を回収し始めたのは5月中旬からですが、回収した卵は1個ずつ【A】→【B】→【C】の管理容器の順に移していきました。そうするのは、 ※3 卵の各管理容器内の孵化するタイミングがズレ過ぎてしまうのを防ぐことと、最終的に同じ数の卵を揃えて針子の育成を始めたかったことによります。

※3 例えば、最初に採卵した日の卵の全てを【A】、次の採卵機会の卵の全てを【B】、その次は【C】というように卵を分けてしまうと、【A】の卵の孵化が先に始まったり【C】の遅れる可能性が高くなり、「よーいドン!」の育成が行えなくなってしまうのです。

・そして、2019/5/29【A】の管理容器の卵の一つが孵化しているのを確認したので、その日から比較実験が本格的に始まりました。まだ採卵して日の浅い卵もありましたが、各管理容器の卵を【A水槽】【B水槽】【C水槽】のそれぞれへ放ってみたのです。各水槽に放った卵は、最終的に23個ずつに調整してみました。

~育成期間編~

並ぶ比較実験用の水槽

・5/29から針子の育成が始まったわけなのですが、まず水槽の置き場所について工夫することにしてみました。上の写真は実際の設置スペースではないですが、上の写真にあるように3つの水槽を並べて設置してみました。

比較実験用の水槽の位置について

・そして、水槽の位置をスライド移動で “ 毎日1回 ” チェンジさせてみました。【A水槽】の場所に【B水槽】、【B水槽】の場所に【C水槽】、【C水槽】の場所に【A水槽】といった感じです。何で毎日場所を変えるのかというと、日当たりの良し悪し等の条件が、偏り過ぎないようにする為です。なかなか面倒くさかったです。

 

・続いて大事なエサやりについてですが、5/29から2日後の5/31から与え始め、各水槽ともにエサやり機会は同じにしました。日によりますが、一日に2~4回くらいです。【A水槽】ではその日最後のエサやり機会に、通常の餌に加えてゾウリムシを、【B水槽】ではその日最後のエサやり機会に、通常の餌に加えてPSBを与えてみました。一日うちの他のエサやり機会では、全水槽とも通常の餌のみ与えていました。

今回の実験で使用したPSBとは、某メーカーの某PSB商品です。ボトルにピンクの液体が入っていて、それを用法&用量通りに【B水槽】に投入していました。2019年現在では、PSB商品としては比較的に安く、私が足を運んだ多くのアクアショップで見つけることの出来たものになります。

・3つの水槽では、毎日1回水面に残った通常の餌(パウダー餌)の回収と、水面の掃除や自然蒸発によって減った飼育水分の水足しを行っていました。6/14には、3つの水槽から稚魚を避難させ、床環境の掃除や水換えの作業を行ってみました。

 

実験結果について

それでは、2019/5/29~6/28まで行った比較実験の結果を発表いたします!!

実験結果

上の写真に写っているのが、6/28時点での各水槽の生存個体になります。文字で改めて整理すると、

【A水槽】:生存数は計13匹
【B水槽】:生存数は計10匹
【C水槽】:生存数は計7匹

となりました。通常のパウダー餌に加えゾウリムシを与えた【A水槽】の生存数が最も多く、PSBも与えた【B水槽】がそれに次ぐ結果になりました。今回の実験では、メダカの稚魚飼育におけるゾウリムシとPSBの一定の効果はあったのかも?と思いました。規模がまだ小さいので、更に大きな規模で試す必要がありますね。

 

健康状態についてですが、明らかに尾ぐされ病を抱えていたり、立ち泳ぎをするような子はどの水槽もいませんでした。サイズにあまり差は表れず、最大で 1.4cm くらいになり、特別成長の感じられない子は現れませんでした。

 

今回の比較実験を経ての感想ですが、 ※4 コストの低くて殖やしやすいゾウリムシに頼った稚魚飼育をするのが、経済的にも効果の面でも優れているのかなと思いました。光合成細菌(PSB)も培養することは可能ですが、導入時のコストや培養に数日~数週間の時間を要すること等を考慮すると、ゾウリムシがあればわざわざ手を出さなくても良いのかなと...。

また、実験期間中の中間辺りの6/14に一度生存数を数えていますが、どの水槽でも6/14の時点から脱落している個体はいませんでした。ゾウリムシやPSBの使い時としては、生まれて間もない針子の時期が適切なのかもしれません。

( 言い換えれば、ある程度大きくなった稚魚にはあまり効果的ではないのかもしれません。 )

最後に

一度上述したことの繰り返しになりますが、今回の結果を受けてゾウリムシが良いとかPSBが良いという確証が得られたわけではないです。ただ小さい実験規模なりにも、条件を揃える配慮を1ヶ月間続ける中で得られた結果ではあるので、個人的にはそこそこ信頼し得る結果だと考えています。

 

今後も、機会があればメダカに関する実験に取り組んでいこうと思います。(^^)

2019/8/18追記:今回の実験を受け、「パウダー餌のみ」「ゾウリムシのみ」で稚魚を育ててみる比較実験を行いました。2019/8/8の記事:メダカ稚魚へのパウダー餌とゾウリムシの比較実験にてまとめています。

 

本日の写真

白虎メダカ ①

写真は、先月の上旬に某有名メダカショップにて1ペアでお迎えした、白虎メダカになります。ブログでご紹介するのは初めてです。現在は、彼らから採卵の真っ最中ですね。

白虎メダカ ②

名前だけ聞いた時に、白メダカ体色のいかつい斑表現のメダカなのかなと思っていましたが、違いました。(汗) 暗色系の体色をベースに体外光表現を持つ斑メダカといったところでしょうか?? 本当はお迎えするつもりはなかったのですが、一目惚れしましたし、折角お迎えしたので今年はたくさんの F1 世代を入手してみるつもりです。(*^_^*)

 

本日はここまで。

当ブログをご覧いただき、ありがとうございました!!