こんばんは。(晴れ)レモンパイです。2023年は7月に入り、昨日からは蝉の鳴き声も聞こえてくるように。本懐のヒメオオクワガタの為の登山採集を早期に再開出来るよう、負傷中のアキレス腱のケアやダイエットに励んでいるところです。(^^*)
ヒラタの初繁殖に成功!&オスの顎縛り
それでは、本題に入ります。「クワガタ飼育記事」の投稿です。今年2023年の1月に、地元神奈川県の某河川敷における ※1 材割りの結果、ヒラタクワガタの幼虫の採集に成功しました。現時点では羽化した9匹(♂6&♀3)の成虫が手元にいる状況で、その内から2ペアを作り繁殖を目指すことに決めました。
今回は、彼らヒラタの為に組んだ産卵セットやオスの顎縛りについてご紹介します。何かご参考になれる情報がありましたら幸いです。
今回用意した2つの産卵セットについて
私がクワガタ方面に目覚めたのはノコギリクワガタがきっかけであり、現在でも一番繁殖のノウハウの蓄積されているのはノコギリになります。ノコギリもヒラタも、両方 “ 根食い系 ” と呼ばれる地中に埋まる多湿な朽ち木を好む種類ということで、ヒラタを初めて繁殖させるにしても特に困ることはないだろうなと予想していました。
2023年4月に、幼虫の姿で採ってきたヒラタの大半が羽化ました。彼らが後食を始めたのがだいたい5月中旬~下旬ということで、オスメス共に繁殖に適した時間を与える為に1ヶ月間を待つことに。その期間に与えていたのは ※2 KBファームのプロゼリー。そして期は熟したと判断した2023年6月25日に産卵セットを組んだのです。
ヒラタ産卵セット①:産卵1番
まず1つ目の産卵セットには、クワガタ界ではお馴染みフォーテック社の「産卵1番」を使うことにしました。これを説明通りに使えば、まずノコギリの産卵に失敗することはありません。実際に『特にヒラタ、ノコ等の産卵にベストマッチ』と記載されています。
用意した容器は、ダイソーで買える税込み550円の飼育用プラケースです。ケース内に産卵1番に入れて、ビニール手袋をした手で水道水と混ぜながら、※3 “ 握った際にほんの僅かに水が滲み出てくる~ギリギリ水が数滴落ちる程度 ” に加水します。ちゃんと手で攪拌しないと加水程度にムラが出来てしまうので、その点ご注意ください。
上の写真は、加水の完了した産卵1番マットを拳を使ってぎゅうぎゅうに押し固め、中央に鍋で煮沸加水したナラの産卵木を置いたという状況です。今回、産卵木は足場やオスの隠れ家、メスの産卵促進要因としての役割で置きました。この木に産卵する可能性もあるのですが、後で幼虫の割り出しをするのが面倒なので、私としてはあくまでマットに産んでもらいたいスタンスです。
そして上から、だいたい 2~3cm くらいの層になるように、再利用マットをまぶしてみました。ここでいう再利用マットというのは、自宅のノコギリやらミヤマやらの幼虫飼育にて残った、比較的にダニ等の少ないマットのことです。まあ何でも良いから柔らかい上層を作りたかったのです。霧吹きで再利用マットの層を湿らせ、これにて「産卵1番」を使った産卵セットは完了です。
ヒラタ産卵セット②:自作発酵マット
そして2つ目の産卵セットについてですが、1つ目と条件が違うのは産卵1番ではなく「自作発酵マット」を使用していることのみです。自宅では発酵マットを手作りしていまして、最初に作った2021年のものから “ 継ぎ足し ” で作り続けてきました。
こちらが今回使用した自作発酵マット。主な原料は、コーナン(LIFELEX)の「国産くぬぎ」という安めのマットになります。それを 2mm 四方の網目のふるいで細かい粒子だけ抽出し、継ぎ足す度に新たな添加剤も加えて発酵させてきました。ちなみに、今回使用した発酵マットの9割くらいは2022年冬に継ぎ足したものとなっており、その際はメルカリで購入した無農薬の ※4 米ぬかを添加剤として使いました。つまり、添加物の内訳もほとんどが米ぬかということになります。
繰り返しになりますが1つ目の産卵セットと同じように、自作発酵マットを加水して攪拌して押し固めて、煮沸加水した産卵木を置いて上層を再利用マットにしたら完成です。
ヒラタオスの顎縛りのやり方
上述の段階で、ヒラタのメス2匹にそれぞれ割り当てる産卵セット2つが用意出来ました。続いて、メス2匹と交尾させるオス2匹の顎縛りのやり方についてご紹介します。
まず顎縛りとは、繁殖等の目的でメスと同居させるオスが、大アゴでメスを挟み殺してしまうリスクを無くす為に行う処置のことです。飼育者が交尾を見守るハンドペアリングにしろ、今回のように産卵セットにオスメスを同居させる方法にしろ、メスの身を案じるのであれば顎縛りを行うべきだと思います。
上の写真に写るのは、今回6匹のオスの中から親に選んだ2匹のオスです。個々の外形的特徴の差異は分かるけれど「どのポイントを親選びで重視するか?」という点で凄く悩みました。
赤いヒラタが好きなので一番体色に赤みのあった 41mm の個体(←27mmの♀とペア)と、ぱっと見の全体の雰囲気で美しく思えた 45mm の個体(←29mmの♀とペア)を選抜しました。
そして今回、顎縛りの道具として用いたのは100均で購入したラッピングタイ(針金入り結束アイテム/ワイヤータイ)になります。ヒラタの場合、これを一番大きい内歯と大アゴの根元との間に巻き付けて顎を閉じさせるのです。今回のラッピングタイは巻き付けるには太過るので、細くなるようハサミで縦方向にトリミングしておきました。
手順についてご紹介します。まずは、片方のアゴにタイを巻き付けます。大きい内歯から外れなければいいので、ギチギチに締める必要はありません。写真にあるように必ず反撃に遭うことにご注意ください。
暴れるオスを抑えるのに苦労しながら、もう片方の箇所にも巻き付けることが出来ました。オスが暴れ回ったり、何かを掴んで踏ん張っている状態で無理に作業を進めると、大あごや脚の外れてしまうリスクがあります。胴体を固定させたり、体を浮かして踏ん張りが利かないようにする等の工夫も必要です。
続いて、ラッピングタイの余った両端を併せて捻じります。タイのクワガタ寄りの部分を捻じると大アゴがどんどん閉じていくので、メスの頭部や腹部が、オスの大アゴの隙間に挟まれない程度に閉じさせるのです。
最後に、ペンチやニッパーでラッピングタイの余分な部分を切り落とせば顎縛り処置の完了です。本当にラッピングタイが外れないか、しばらく様子見するのが望ましいと思います。そして、各産卵セットに成虫1ペアずつとプロゼリーを入れて、同居生活をさせることになりました。
ペアリングから1週間後のこと
この記事の投稿日は2023年7月2日でして、産卵セットを組んでヒラタのオスメスを同居させてから1週間が経過しました。既に交尾は済んでいると思われるので、本日はオスだけ回収し顎縛りを解除することにしました。
こちらは「産卵1番」の産卵セットに投入していた 41mm のオスです。今回使用したラッピングタイはパルプ製だったこともあり、マットが付着して泥の塊のようになっていました。
ピンセット2本を使い、ヒラタを浮かせて踏ん張れない状態にしながら針金部分を解いていきました。オス2匹共に大アゴへの負傷やら機能障害は見られなくて良かったです。ラッピングタイの他にも結束バンドで顎縛りをするやり方もあるので、今後はそちらも試してみようと思います。
オスを回収したついでにメスの安否のチェックをしていたら、「産卵1番」のセットにも「自作発酵マット」のセットにも卵の産み付けられていることが判明しました!予想通りの結果になりましたし、特に自作発酵マットの方でも成功したのは嬉しかったです。
添加剤の種類も影響すると思いますが、 “ 粒子の細かい発酵マット ” を自作出来るのであれば、少なくともノコギリとヒラタにマット産みさせることは可能なのかなと思いました。(^^*) 「使用するマットの発酵程度の違いで産卵にどのような影響が出るのか?」についても、いずれ調べたいと思います。
本日のメダカ写真
今日は黒百式メダカ F1 の繁殖用水槽の手入れをし、親魚たちの健康状態を確認していたら気になる個体を見つけました。
片目だけのビッグアイメダカです。繁殖用水槽へ移した当時は気付かなかったので、後天的にどんどん大きくなった可能性もあるのかなと思います。固定化させられたら嬉しいですね。
本日はここまで。
当ブログをご覧いただき、ありがとうございました!!